校長だより

校長だより

入学式を実施しました。(校長式辞)

新型コロナウィルスに関する学校休業が長引き、実施の遅れていた「第75回入学式」を本日(6/15)実施しました。感染拡大防止の観点から新入生のみの式となりましたが、桜塚高校第75期生の新たな門出を職員一同で祝福いたしました。式の様子は、Google Classroomで配信する予定ですので、ぜひご覧ください。以下校長式辞を掲載させていたします。よろしくお願いします。

 

第75回 入学式 式辞

 

桜塚高校に入学された360名の皆さん。

このたびは入学おめでとうございます。これからはじまる高校生活に

それぞれの夢を描いていることと思います。

新しいステージでの一歩を踏み出す、みなさんの門出を祝福するとともに全校あげて、歓迎いたします。

 

本来であれば、4月8日に行われるはずであった入学式が、緊急事態のため行うことができず、その後も、臨時休業、分散登校が続きました。

 ようやく今日、このように、75期生が一堂に会することができたことは皆さんにとっても私たち教職員にとっても、本当に嬉しいことです。

 

さて、本校は昭和12年に設立され83年目を迎える伝統ある学校です。「明朗」「敬虔」「奉仕」という校訓は開校時から今も大切に受け継がれています。「明朗」とは文字通り明るく朗らかなこと、「敬虔」とは人を敬い大切にする心、「奉仕」とは自分の利害を離れ人や社会のために尽くすという意味です。

 

この3つは私たちが社会そして人と繋がるうえにおいてなくてはならない大切な力です。

 皆さんには、授業で身に着ける「知識」や「技能」はもちろんのこと、この3年間で大いに「人間力」を高め、将来、社会で活躍する素晴らしい人材に成長して欲しいと思います。

 

また、本校の教育目標は「国際化が進む社会において高い志と夢を持ちながらリーダーシップを発揮する人材の育成」です。

様々な大学や専門機関と連携し、専門的かつ深い学びに向けた学習の場を創出しています。このような場を活用し、自分自身を磨き、社会を切り拓く力を持ったグローバルリーダーに成長して欲しいと願っています。

 

それでは皆さんに、高校生活を迎えるにあたり、心にとどめて欲しいことをふたつ伝えたいと思います。

まずひとつ、それは、自らの力を信じ、さらに自分自身を磨くため失敗を恐れず、何事にも積極的にチャレンジをして欲しいということです。

たった一代で、国内を代表する電機メーカー「パナソニック」を築きあげた松下幸之助先生は次のような言葉を遺されています。

「失敗しない人は成功しない。なぜならチャレンジしないからである。」

つまり、挑戦をしない人は、失敗しないが、成功もしないということです。

これから成長していく皆さんには、ぜひとも、失敗を恐れず前向きなチャレンジをして欲しいと思います。

 

本校には、皆さんの成長をサポートする様々な取り組みがあります。例えば、学力向上の一環として、放課後校内において「桜塾」と呼ばれる特別授業をおこなっています。 また、国際交流も活発で、アメリカ・ニュージーランドでの「海外語学研修」や様々な国からの留学生の受け入れなどを行っています。 ぜひとも、積極的にチャレンジをしてください。

 

また、部活動も活発で、9割を超える生徒が入部し活き活きと活動をしています。

なかには、全国レベルでの活躍をしているクラブもあります。

まさに「文武両道」の高校生活を送ることができる元気のある学校です。

皆さんもぜひ入部し、多くの仲間と思い出を作り、自らの力と可能性を広げてください。

 

ふたつめは、友達との繋がりを大切にして欲しいという事です。

世の中の情報化が進み、インターネットやスマホを通じて、「いつでも」「どこでも」繋がる事ができるようになりました。しかしその一方、人と人とが実際に顔を合わせて会話をする機会は減っています。

そして、お互いの表情を見ないSNSやメールなど「文字による会話」の中で、相手の気持ちを考えない言葉による暴力や攻撃が行われ、本来は「人」と「人」とを繋ぐはずの「言葉」が、人を傷つける道具になることも少なくありません。つい先日も、一人の女子プロレスラーが、心無い人たちからの「容赦のない攻撃」により自ら尊い命を絶つという痛ましい事件がありました

 

確かに、言葉や文字は人をつなぐ大切なツールです。しかし、どんな道具も使い方によって「良くも悪くも」なるように、大切なのは言葉や文字の奥にあるその人の「心」です。本当のコミュニケーション力とは、難しい言葉が使えるとか流ちょうにしゃべれるということではなく、相手を理解しながら自分の気持ちを伝える力です。

 

今後、ますます社会のグローバル化やバリアフリー化などが進み、様々な「立場の人」や、様々な「考えを持った人」と繋がる場面が多くなってきます。

 自分の考えをしっかりと持ちながらも他人を理解し、多くの人と協力・協同しながら、社会を創っていかなくてはなりません。

 

高校生活は「繋がりの大切さ」を知る絶好のチャンスです。

様々な「行事」や「部活動」などを通じ、「仲間といる喜び」や「支え合うことの大切さ」を実感し、人を大切にする心を育んでください。また、人とつながるための根幹といえる「あいさつ」が自然にできる素直な心を持ち続けてください。

 

それでは、最後に新入生の皆さんにエールを送りたいと思います。

皆さんは今、「高校生活」というフライトに向けた滑走路を走っています。

不安もあると思いますが、自分の力を信じ思い切って飛び立ってください。飛行機は離陸をするとき一番多くのエネルギーを必要とします。

しかし、自分の力で大空に飛び立ったとき、飛び立った人にしか見ることのできない素晴らしい景色が見えてくるはずです。

三年後のさらなる飛躍に向けて皆さんが大きく成長することを祈念し、入学にあたり皆さんに贈る言葉といたします。

 

2020年(令和2年) 6月15日

大阪府立 桜塚高等学校

校長 田 尻  肇