6月1日(月)、今年度初めて全学年が揃いました。
教室での人数および学校滞在時間に制限があるため、各クラス20人ずつ、午前と午後に分かれての分散登校でしたが、学校内に活気が戻りました。
最初の時間となる1限目と4限目はホームルームにおいて、学校長の挨拶、転退職された先生方と着任された先生方の紹介、生活指導・自治会活動・学校保健に関する指導や指示などを行いました。
15日までは、学校行事が認められていないため、いつもの「集会型の始業式」という形ではありませんでしたが、一つの節目になったと思います。
感染拡大を防止しながら、学校生活が一歩ずつ元通りになっていくことを心から願っています。
以下、本日、生徒の皆さんに話をした内容です。
桜塚高校の生徒の皆さん、校長の田尻です。
ようやく、直接皆さんに話ができる機会が来たことをうれしく思っています。
まずは、この度の新型コロナウイルス感染症により、尊い命を落とされた方々に哀悼の意を表しますとともに、今なお闘病をされている方々の一刻も早い回復をお祈りします。
また、この度のコロナショックにより、生活に大きな打撃を受けている方々、さらに、医療従事者をはじめ、大変な日々を送っている方々がおられます。一刻も早く事態がおさまり、活気のある生活が戻ってくることを心より願っています。
さて、今年の2月中旬あたりから、日常生活が大きく変化をしました。
今まで当たり前であったことが制限され、皆さんの高校生活においても、授業、部活、生徒会など、全ての活動がストップし、思うようにならない日々が続きました。
2・3年生の皆さんの中には、仲間と共に一生懸命打ち込んできた、部活動の公式戦や発表会などが中止となり、大きなショック、やりきれない思いに、打ちひしがれた人も多いと思います。私自身の高校生活を振りかえっても、皆さんの悔しい思い、残念な気持ちは、計り知れないほど大きなものであると想像できます。
そして、1年生の皆さんは、入学式という節目の行事がないまま、高校生になった実感もわかず、不安な日々を過ごしていたと思います。
そんな中、ようやく全学年の授業が再開することとなりました。
2カ月遅れとなりましたが、新しい出会い、新しいステージの始まりです。
まだまだ多くの制限はありますが、「仲間とともに送る高校生活」を1日1日大切
にしてください。
私たち教職員も皆さんが学校に戻ってきたことを本当に嬉しく思っています.
そして、今後も教員と生徒が一丸となり、この大きな危機を乗り越えていきたいと思っています。
さて、今後しばらくは、いつまた感染が拡大するかもわからない状況の中、様々な困難と向き合いながら生活をしていかなくてはなりません。
そんな、時期であるからこそ皆さんに、ぜひ伝えたいことがあります。
それは、「人は、困難を自分の力で、前向きに乗り越えていくことによって成長する」ということです。
人は困難にぶつかった時、大きく分けると「次の2つのタイプ」に分かれます。
一つ目は、「それを乗り越える方法を自分自身で考えようとせず、困難な状況への不満を言ったり、できないことを周りの人や環境の責任にする」タイプ
そして、もう一つは「困難の中においてもできることや、それを乗り越えていく方法を前向きに考え、行動する」タイプです。
例えば、臨時休業中の学習に置き換えてみると・・・
「勉強ができないのはコロナのせい、授業がないから、わからないのは仕方ない」と考えるのが一つ目のタイプ。
しかし、二つ目のタイプの人は、授業がなくても、自分なりの学習法を工夫し、将来の進路実現に向けて、前向きに行動をしていきます
当然ながら、前のタイプの人は困難を乗り越えているのではなく、単に過ぎ去るのを待つだけなので、自分自身は成長しません
しかし、後のタイプの人は、単にピンチを乗り越えるだけではなく、ピンチを乗り越えるごとに、新しい力を身に着けて、成長をしていきます
世間では、この緊急事態のなかにおいて、学習が自分自身に任されることが多くなるため、「やる生徒」と「やらない生徒」の差が大きくなってしまうのではないかと心配視されています。
ぜひ、生徒の皆さんには、自分自身を大切にし、前向きな気持ちで、この緊急事態を乗り越えてほしいと思います。そして、そのことが皆さんの成長、そして将来の進路実現・自己実現につながるものと信じています。
今後、この間の学習の遅れを取り戻すための方策が国や大阪府から示されます。
夏休みが短くなったり、行事を見直していくことも考えなければなりません。
学校として、学力保証、進路実現を第1にしながら、何ができるのかということを考えていきたいと思っています。
最後になりますが、長期にわたる臨時休業による不安など、さまざまな悩みは、担任の先生をはじめ、相談しやすい先生に伝えてください。学校は皆さんの力になります。
それでは引き続き、私たち一人一人が感染拡大防止に向け、力を合わせていきましょう。