第78回卒業式を挙行しました
本日、第78回卒業式を挙行しました。
厳粛な雰囲気の中にも、これまでの学校生活を振り返る温かな空気が流れる素晴らしい式となりました。
78期生の皆さんは、この3年間、出会った仲間と支えあいながら多くの経験を重ね、大きく成長しました。
はなむけの言葉でも伝えましたが、中学校の3年間、コロナ禍で大変な思いをした学年です。その意味でも本当によくここまで頑張りました(拍手)
卒業生の皆さんが、それぞれの道で「自分らしく」歩み続けることを、教職員一同心より願っています。
また、学校に顔を出してください。
あらためて、卒業おめでとうございます🎊
<以下、「はなむけの言葉」の抜粋です。>

78期生の皆さん。卒業おめでとうございます。人生の節目である、この記念すべき日を祝福するとともに新たな出発に心からエールを送ります。
思い起こせば、皆さんは中学校の大切な三年間を、コロナ禍という先の見えない中で過ごしました。当たり前だった日常がストップし、大好きな友達と距離を取ることを求められ、様々な制限のなか、やるせない気持ちで過ごした日々は、10代前半の皆さんにとって計り知れない試練であったと思います。
ようやく社会が少しずつ動き出した頃、皆さんはこの桜塚高校に入学しました。まだ多くの生徒がマスクをしていて、お互いの顔も十分にわからず不安な状況の中、ここにいる仲間と一緒に再び前を向き、歩き始めました。失われた時間を取り戻すのは、なかなか大変なことであったと思います。
しかし、そんな厳しい状況の中において、皆さんは力を合わせ、支え合い、自分たちの力で立派に高校生活を創りあげました。一つの目標に向かい力を合わせた部活動、後輩たちを引っ張り成功に導いた体育祭、クラスで協力し、楽しんだ文化祭、沖縄の大自然の中で、絆を深めた修学旅行、数々の思い出はいつまでも心に残り続ける、かけがえのない財産です。
今、皆さんの周りには 三年間共に支えあってきた素晴らしい仲間がいます。今日を節目としてそれぞれが次のステージに進むこととなりますが、 出会った奇跡に感謝するとともに、結ばれた絆をこれからもずっと大切にしてください。
それでは、皆さんの新しいスタートを祝い、私から高校生活最後のメッセージを送りたいと思います。
まず最初に伝えたいこと、それは、皆さんは一人残らず大切な存在、そして、この世に二人と存在しない、かけがえのない存在だということです。このことは、絶対に忘れないでください。
皆さんの命は、皆さんの親、その親、そしてまたその親、と、受け継がれてきました。歴史の授業で習ったような遠い昔の時代も、戦争で大変だった時も、途切れることなく繋がれてきました。その大切なバトンを受け取り、皆さんは今人生を歩んでいます。そしてまた、皆さん一人一人は、それぞれが違う形、違う色を持つ世界に一つしかない「自分色」に輝く宝石です。
これから先、多くの壁にぶつかったり悩んだりすることがあると思います。しかし、どんな時も、この「繋がれてきた命」を大切にしてください。そして、自分を大切にし、自分の考えを持ち、「自分らしい」人生を歩んでください。
「自分らしく」とは、決してわがままに生きるということではありません。多くの花が混じることで花束は美しく華やかに見えます。それと同じで、人間も多くの人と繋がることによって「自分色」がより鮮やかさを増します。周りの人を大切にすることが、結果的に自分を大切にすることに繋がる。このことを覚えておいてください。
世の中は便利になり、以前、人間がしていた多くのことが、AIや機械に置き換えられようとしています。ひと昔前までは、人が苦労して考えて結論を出していたこともAIに質問すれば、瞬時に「それらしい答え」が返ってくるようになりました。皆さんが生きていくこれからの社会は、益々、AIの開発が進み、簡単に答えが手に入るようになるでしょう。
しかし、AIが答えることできる質問には条件があります。それは、「すべてに共通した答え」が存在するということです。例えば、私たちがAIに「自分はどういった人生を歩むのがベストなのか?」という質問をしても、明確な答えを示してくれません。なぜなら、思いや考え方は人それぞれであって「共通した答え」が存在しないからです。
昨年、ある方から本校に一通のメールが届きました。その方が、貧血のような症状になり駅でうずくまっていたところへ本校生が駆け寄り、声をかけ、「寒い」と言ったその方に自らの上着をかけてあげたそうです。メールには「身体はもちろん、心まで温かくなりました」といった感謝の言葉が綴られていました。
「寒い中、自分の上着を脱ぐ」という行動は、自分だけのことを考えるとマイナスの行動です。つまり、合理的な判断をするAIが示さない答えです。このように、人の「優しい心」や「思いやりの気持ち」は、どんな優れたAIも示さない「答え」を「正解」として導きだします。
<中略>
その人の「正解」は、その人の心の中にだけに存在するものです。これから皆さんが生きていく時代は変化が大きく、確実性がありません。そこでは、今までの「学び」とは全く異なる力が求められます。
定期考査のような出題範囲はありません。語群や記号から選んだり、カッコを埋めるといった単純な問題もありません。時によれば問題自体を自分で作る必要さえでてきます。
そのうえ模範解答もありません。全員での答え合わせもありません。採点するのも自分自身です。
皆さんの中には、そんな社会を不安に思っている人が少なくないと思います。しかし、見方を変えると変化の大きい時代は、自分の可能性が大きく広がるチャンスです。
皆さんには無限の可能性があります。次々とアップデートする情報に対して「学び続ける心」を持ってください。そして、何事も他人事にはせず自分ごととして捉えてください。
自分なりの答えを考え、その答えに責任を持ち、それを実現するために失敗を恐れずチャレンジをしてください。
皆さんは幼い頃、なんでも自分でやってみたくて、親に無理を言いながら、できないことに何度も何度も挑戦しました。なぜなら、人間はもともと「できないことができるようになること」に大きな喜びを感じる生き物からです。ところが、歳を重ね、できることが多くなってくると、今度は失敗することが怖くなり、成功する可能性の低いことに挑戦することを恐れるようになります。
絶対失敗しない方法はただ一つ、挑戦しないことです。 挑戦をしなければ失敗はありません。ただ、成功もありません。そして、失敗は決して無駄にはなりません。 失敗することによって成功に近づくことも、数多くあります。
これからの人生、皆さんは多くの選択をすることになりますが、どんな道を選んだとしても、最初からその道が正解かどうかはわかりません。一見、でこぼこに見える道も、気づけば自分にとって最高の道になっている事だってあります。
SNSが普及し、人と比較することが多くなりました。そして、自分より恵まれている周りの環境ばかりを見て不満を言い、自分自身を振り返ることが少なくなっているような気がします。
人の目や、他人との比較や、評価に縛られるのではなく、「自分らしさ」を大切にしてください。そして、たとえ転んでも下を向くことなく、手のひらに付いた土を払って立ち上がり、また前に進んでください。
選んだ道が正解だったかどうかを振り返るより、 もっともっと大切なことは、選んだ道を自分の力で「正解」にすることです。
それぞれの世界で「自分色に輝く」皆さんの姿を、心から楽しみにしています。

