秋深く
校長 小山 正辰
先輩から「中国詩人選集」という書をいただきました。
普段古典に接する機会が少なく、李白や杜甫といった有名な詩人の詩も、教科書で習った域を出ません。せっかくいただいた詩選集ですので、気になった詩を味わってみました。
七五三の時節だからと、選んだわけではないのですが・・。
李白:三五七言
秋風 清 (秋風 清く)
秋月 明 (秋月 明らかなり)
落葉 聚 還散 (落葉 聚って 還た散じ)
寒鴉 棲 復驚 (寒鴉<冬のからす> 棲んで 復た驚く)
相思 相見 知何日(相思い相見る 知る何れの日ぞ)
此時 此夜 難為情(此の時此の夜 情を為し難し)
三五七言:三言五言七言それぞれ二句づつ対になっている。
この詩体は李白の創作と言われている。
すでに立冬はすぎていますが、私たちの感覚は秋。紅葉を楽しむ時節です。訳もついていますので紹介しておきましょう。
「秋の風はすがすがしく、秋の月は明るい。落葉は風に吹き寄せられては、また散る。
からすはねぐらに帰ったかと思うと、ふいに驚いて飛び立つ。
思う人に会えるのは、いつの日のことか知れない。
こんな時、こんな夜、もえさかる気持ちを、どうしてよいかわからない。」
「思う人」を「希望の大学」とおきかえると受験生の気持ちでしょうか。
でも、それぞれに詩の世界を楽しめば良いですね。