「本年度文化功労者 宇多 喜代子氏による俳句実践講座」を実施しました。
桜塚高校6期卒業生で、11月に文化功労者に選ばれた宇多喜代子先生が、1月9日、一年生を対象に講演をして下さいました。「総合的な探究の時間」の一環として行われたもので、体育館で俳句についてのお話を伺った後、それぞれの教室に戻って俳句を作っている間、先生はすべての教室を回られました。「がんばってる?」「がんばってます。でも難しいです」「日本の風や雨には季節によっていろいろ名前があるんですよ。冬なら時雨とか北風、春ならば東風(こち)とか、ね」 宇多先生はどの教室に行っても気さくに声をかけられます。
俳句作りの魅力の一つは人生に「退屈」や「あいにく」が無くなることだそうです。ふつうなら「あいにくの雨」と思うところを、「雨」もまた俳句の好対象となるということなのです。また、俳句には原則として季語があります。だから俳句を作ることは四季を感じ自然を観察することにつながります。「みんな下を向き過ぎよ。空を見上げてご覧なさい」「自分の周りにある身近なものを定点観測してごらんなさい。リアルに触れることが魅力的な大人になることにつながりますよ」先生の言葉は温かくて深い。言葉の端々から、若い人たちに寄せる先生の思いが伝わってきました。今回めいめいが一句ずつ短冊に書いたものを先生はすべて見て下さるとのこと。返却されるのを楽しみにお待ちしたいと思います。
宇多喜代子先生略歴:平成18年(2006年)現代俳句協会5代目会長に就任
平成20年(2008年)旭日小綬賞
平成28年(2016年)日本芸術院賞
令和 元年(2019年)文化功労者
宇多喜代子先生おすすめの本:
『ことばの歳時記』山本健吉(角川ソフィア文庫)
『17音の青春』神奈川大学広報委員会編(角川書店)
『芸人と俳人』ピース又吉(集英社)
『季語で読む徒然草』西村和子(飯塚書店)
『季語で読む枕草子』西村和子(飯塚書店)
『季語で読む源氏物語』西村和子(飯塚書店)
(ご自宅の書棚にあったものをお持ち下さいました。図書館に置いて自由に閲覧して下さいとのことでした。)